冬の時季はますます有効! “パター”でのアプローチで寄せるコツ
グリーンまわりまでスムーズにきても、アプローチでダフリやトップをしてしまうと流れが悪くなり、スコアも崩れてしまう。そのため“パターで寄せる”を多用する人がいますが、うまく寄せられていますか? パターでのアプローチは「カラーの近くから」だけではありません。とくに芝が枯れる冬の時季は、寄るシチュエーションが増え、手堅いプレーができる。パターでアプローチする人だけでなく、普段しない人も、ぜひトライしてください!
“パターアプローチ”の
3大メリット
01
ミスヒットに強い
打点・インパクトのミスに対してボールが転がる距離の“誤差”が小さい。ウエッジでのアプローチよりも、最終的にボールが止まる「想定エリア」を狭く設定できるのが最大のメリット。
02
「集中力ゲージ」が減らない
ゴルフでは18ホールとおして集中力を切らさず、平常心を保つことが重要。難しいウエッジショットでは集中力の消耗が激しいが、パターならあまり緊張せず、集中力ゲージの減りを抑えられる。
03
距離感が蓄積できる
ウエッジでの距離感づくりは、豊富な練習での積み重ねが必要。ましてや複数本を使い分けるなんて、なおのこと!“パターばかり”でアプローチしていれば、少ないラウンド数のなかでも距離感が蓄積できる。
8回以上成功するなら
パターでOK!
「パターで寄せるのもアリかも?」と考えるケースは、花道からなど、ボールからピンまで短い芝が続く状況でしょう。そして、下の写真のようなグリーンまでの距離が長い場合が悩みどき。ウエッジで寄せる自信があればそれも選択肢としていいですが、成功の確率を考えればパターでのアプローチに軍配が上がります。その判断基準として、10回打って「何回成功するか」を自分に問うてみてください。私は「8回以上成功しないショットや番手は選択すべきではない」と思っています。ラウンドでのショットはつねに“1発勝負”。「最高の1打」が出ることを想定するのではなく、あくまで重視すべきは「確率」なのです。
距離感はグリーンの
「内側」と「外側」を
分けて考えよう
パターでのアプローチをワンピン以内に寄せていくポイントは、いわずもがな「いかに距離感を出せるか」です。裏を返せば「距離感だけつかめれば簡単にカップまで寄せられる」ともいえます。パターで転がしながらの距離感合わせで大事なのは「ボールがグリーン面に入るときにどのぐらいのスピードになっていればカップに寄りそうか」と「グリーン手前のライでの減速を考慮するとインパクト時の初速はこれぐらい出す」、このふたつを、芝の向きや長さを確認しながらイメージすることです。
簡単にいえば、グリーンの外側と内側を分けて考える必要があるということ。「距離感」はゴルフのスキルのなかでも経験に頼る部分がもっとも大きいもののひとつなので、最初は簡単ではないと思います。ですが、それはほかのクラブでも同じ。さまざまなクラブでアプローチすれば、そのぶんだけ経験値は分散しますが、距離感の経験値をパターにできるかぎり集約することで「急がば回れ」的にアプローチがピンに寄ってくる回数が増えていくはずです。
そして、寄るテクニックとして必ず行なってほしいのが“素振り”です。
STEP1
“ピンを見ながら”素振り
ライを確認したら、まずは“ピンを見ながら”素振りをし、ボールが転がっていく様子をしっかりと映像化する。このとき、クラブの振り幅はあまり考えなくて大丈夫。なんとなく「こんな感じかな」とパターを振りながら、ボールが転がりはじめてから止まるまでのスピードをイメージしよう。
STEP2
“ボールを見ながら”素振り
次はボールを見ながらの素振り。STEP1でイメージした初速とパターの振り幅をマッチさせていく。ここでもし違和感がある場合は、STEP1に戻ってイメージを作り直そう。STEP1、2のイメージが一致したら、そのイメージが消えないうちにストローク。アドレスしたらなるべく早めに打つのもポイント!
生見和己
●ぬくみ・かずき/1998年生まれ、東京都出身。名門・明徳義塾高校ゴルフ部を卒業後、ゴルフ場で研修生として腕を磨く。22年からレッスン活動を開始。現在はツアープロコーチの石井忍が主宰する「エースゴルフクラブ 西神田校」にてレッスンを行なう。レギュラーツアーでキャディを務めることもあり、コースマネジメントについても造詣が深い。
構成=石川大祐、写真=竹田誉之、協力=取手桜が丘ゴルフクラブ